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横浜・関内の駅前、悪友4人で飲んでいる。
彼らとは、高校の時から皆陸上部で
同級生だ。
そうそう、僕らはリレーのメンバーだったんだ。
僕達は県予選を好タイムで勝ち進み
あと一歩でメダルは届かなかったけど
関東大会の決勝まで走った仲間だ。
いつも集まれば昔も今も子供のまま
こんな事を言い合っている。

『お前のバトンが上手く俺に渡せれば記録を0.04更新できた』

『いや、お前がちゃんともっと熱を入れて練習をしていれば・・・・・』

僕らは、果てしなく昔のことをいつまでも面白おかしく語り
僕はただ、そんな仲間を見ながら
黙って笑っている。

ひとりが何気なく僕に話を振る。

『そう言えば、ケンジは何故‘エリ’と付き合わなかったんだ?』

突然の問い掛けに、苦笑いをしながら

『振られたんだよ』


遠い記憶が蘇る。
彼女を初めて見たときに
ひとめ惚れに近い感覚はいつも思っていた。
高校の3年間ずっと同じクラスでいながら
照れ屋のせいもあって、なかなか話すきっかけが作れなかった。
女の子はどちらかと言えば、うん苦手だった。
そんな僕を知っている悪友の彼らは
エリと僕をくっ付け様と色んな悪戯をしてはしゃいでいた。

でも・・・みんなには内緒にしていたが
エリとはデートらしい事を一度だけした事がある。
照れながら映画デートを誘うと

『OK』

横浜の映画館へ『バック・トゥ・ザ・フューチャー』を観に行った。
映画の内容も覚えていないほど
内心は、緊張をしていて
どんな話をしたかはあまり覚えていない。
たった一度のデートだった。

その帰りに、
舞い上がりながら聞いた言葉がある。

『僕の事をどう思ってる?‘Like or Love’ ?』

間髪に、

『Like かな?』
 
そのひと言を聞いて僕は逃げ去ってしまった。 


そんなある日、久しく訪れていない
母校の校庭を眺めている。
面影は何も変わらず
今も昔のままさ

僕はそんな面影に向かいながら
綺麗な秋空に向かって
語りかける。

『今も変わらず‘Like’のままかい?』

何故だろう?はっきりと
遠い空からエリの声が聞こえる。

『ううん、あの時は恥ずかしくて言えなかったけど・・・
 今なら、あの時言えなかった事をちゃんと言えるよ』

  ‘‘限りなくLoveに近い、Likeかな’’


ふんわり浮かんでゆっくり流れる雲が
秋の趣を感じる 。
今も過去は美しいまま

『女心と秋の空』

僕は、苦笑いをしながら
そんな空を、いつまでもずっと眺めていた。
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