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2005.08.20 遠い空 ②
彼女と確かに約束したこと
『5年待ってくれ、夢を手にしたら迎えに行く・・・』
そんな約束から6年も経っている。
あれ以来俺たちは何の連絡も取り合っていない。
そう、俺は勝手に彼女が時効だと思って幸せに
過ごしていると思っている。

今の仕事は至って順調である。
日系のトミオカ夫妻と3人でTシャツ販売をしている。
仕事は忙しいが儲けもトントンだ。
でも、今の生活は楽しい
陽気な夫妻が毎日俺の心を癒してくれる。
そうなんだ、仕事を終えた後のビールの為に
我々は今日も頑張っている。


でも、そんな俺は時々想いだすように
家に帰った後ひとり静寂の中、考えてしまう

『何のために俺はアメリカに来たのだろう』

肝心の俺の夢は挫折したままだ・・・
その夢を捨てられず今だアメリカにいる。
大きく立ち塞がるアメリカンドリーム
そんな俺にいつも、自分自身にいつも言い聞かせる

『まだまだ、終われないよな・・・』


そんなある日、仕事を終えアパートに帰ると
一通の手紙が来ていた
差出人は『彼女』からだ。
驚きながら封を切ると

短い文章で

『結婚してもいい?』

読んだ瞬間俺は呆然と
自分自身に責めるように問いかける。


『彼女はまだ俺を待っていてくれたのか?
 あれから何年も経っているのに・・・
 もし、そうだとしたら
 逢って言わなければならない言葉がある・・・』
 


いてもたってもいられない俺は
トミオカ夫妻に電話をかける


『明日、東京に帰る』






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